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【読書記録】おらおらでひとりいぐも (河出文庫)

2021/5/29読了

映画化もされた受賞作。
「夫を亡くした老婆が家族との確執や高齢社会の矛盾もありながら、希望で終わる。」こんな話だと言う安易な予想をひっくり返された。
おらの独白とストーリーテラーだけで話が進んでいくが、特に事件はない。淡々と1年が過ぎていく。家族との問題も一瞬顔を見せるが、何の解決もない。そして突然終わる。
ところが意外と面白かった。予定調和が裏切られおらの思考にのめり込んでいく感覚が新鮮。実は老婆の問題でなく皆の思考の中でも同じ葛藤が繰り広げられているんだと思った。
本で読むべきで映画は見ないと思う(笑)。

おらおらでひとりいぐも (河出文庫)
若竹千佐子

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